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SUNROOM

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【前置き】日本のがん医療をかえるために!



「がんです」

はっきりと、自分や家族、友人ががんだとわかったとき、がんの治癒が難しいことを知っているだけに、相当なショックを受けます。
 はじめは「驚き」「なぜ私(家族・友人)が?!」そういう感情に支配されます。そしてすぐに、その命が消えるかもしれないという悲しさで心がいっぱいになります。

 しかし、悲しみのなかで、
「これだけ医学が進歩しているのだから、何か、助かる道があるのではないか?」
「世の中には、がんが治ったとか、新しい薬が出たとか、いろいろなニュースがあるじゃないか!」
と、心が動いていきます。そして、
「こんな方法なら、助かるかもしれない」
と、希望を持つようになったりします。
 もちろん、いろいろなケースがありますから、すべての方に、このパターンが当てはまるとは思いません。しかし、圧倒的に、このパターンの方が多いのも事実なのです。
 以上に書いたことは、がんにおける「告知」「情報収集」「選択」という作業です。
 インターネットのおかげで、医学情報の入手も、その気になれば容易にできるようになりました。どういった本があるのかを知るのも簡単にできますし、インターネットでは、無料のセカンドオピニオンのコーナーもあり、かなり専門的な知識を、一般の個人が持てるようになりました。

 私の場合、19歳のときに父を喉頭がんでなくし、2004年の春には、母も進行胃がんになってしまいました。手術後に「スキルス胃がん、ステージ4」と主治医から告げられたときには、頭が真っ白になりました。

 「目に見えるがんは、すべてとることができました。」
 
 父のときにも、まったく同じことを言われました。

 しかし、「目に見えるがんは、すべて取れた」という言葉には、「目に見えないがんは、まだ残っているかもしれない」という意味もあります。母の場合、胃の外側までがんが進んでいたというのですから、おなか中に見えないがんが散らかっている可能性は、非常に高いのだと、絶望的な気持ちになりました。
 手術でとりきることのできないがんの恐ろしさは、父のときを見ていてよくわかっていただけに、その悲しさは、相当なものでした。
 泣けて泣けて仕方ありませんでした。そんな運命をうらみました。

 それでも、何とか直す方法はないか、泣きながらも必死で情報を集めました。そのときに大きな力を与えてくれたのが「がんのWeb」相談室でした。

 抗がん剤治療!
 
 全員に効くわけではなくても、劇的に効く人がいること、そこまでは無理でも、副作用を抑えて普通の日常生活を送りながら、がんの進行を遅らせることができること、がんが小さければ小さいほど、効果が期待できること、などを知り、私は絶望から救われました。
「まだ間に合うかもしれない!」
そして、なんとしても、母に「副作用を抑えた抗がん剤治療を受けさせたい」と、思うようになりました。
 しかし、母の主治医は、
「抗がん剤は効かないし、苦しいばかり。せっかくこんなにきれいに取れて、順調なのだから、おいしいものをたくさん食べて、楽しい時間を過ごしたほうがいいと思います。」
 退院してまだ足元もフラフラの母を連れ、病院を探しました。
 本当は、自分ひとりで探しに行きたかったのですが、患者本人が一緒でなければ、いくつかの病院が実施してくれている「セカンドオピニオン」は、何ヶ月も先になります。そんな時間はないと思いました。

 そして、抗がん剤治療で評判の良い病院の待合室が、がん患者であふれていることを目の当たりにしました。診療の予約は入れたうえで受診したのですが、本当に3時間待ちました。
 やっと母の番が来ても、
「ほかの病院で手術して、主治医のいらっしゃる方を受け入れている余裕は、申し訳ないけど、今はありません。」
「!」

 絶望と希望の繰り返しでここまで来ましたが、この壁は、大きく厚いものでした。
「せっかく助かるかも(延命できるかも)しれないのに、やってくれるところがないなんて・・・。せっかく方法があるのに、それを試すチャンスがないなんて・・・」

 病院に関しては、どんな薬剤をそろえているとか、どんな治療を誰がやっているとか、内情を知るのは難しく、暗中模索の日々でした。
 「がん難民」
自分たちもそうであると感じました。


 しかし、いろいろありましたが、母は運よくよい先生に巡り会え、「副作用を抑えた抗がん剤治療」の恩恵を受けることができるようになりました。

 私は、全国にたくさんいる「がん難民」が、一人でも少なくなるように、私にできることをしなければならない!と思うようになりました。

 今の日本では「抗がん剤治療を拒否する権利」は、しっかりあります。
 治療を受けたくない人は受けない・・・それはそれでいいと思います。
「木が枯れてゆくように死んでゆきたい」
それはひとつの、立派な価値観だと思います。
 しかし、
「できることなら、元気な日をもう少し楽しみたい」
と思っても、それも当たり前のことではありませんか?
「わがまま」でしょうか?「贅沢」でしょうか?
 しかし、今の日本では、「元気な日をもう少し楽しむ」という選択をすることが、非常に難しいのです。
 理由はたくさんあります。(長くなるので、ここでは書きませんが)

 ここまで読んでくださったあなた。ありがとうございました。

 私と一緒に、考えてくれませんか?
「どうしたら、日本のがん患者が、自分の望む医療を受けることができるようになるか」を。

 問題点を知り、一人ひとりが考えることによって、今より良い医療が実現できるのだと信じています。

 考えて、そして発言しましょう。
「日本のがん医療を変えるために!」




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